海外コミュニティのredditから「なぜ日本料理では焼くことよりも煮ることが多いのか?」という投稿を翻訳してお届けします。
なぜ日本料理では焼くことよりも煮ることが多いのか?
(投稿主)
牛丼や親子丼のような日本のレシピを見ると、玉ねぎと肉を、だしやほかの材料と一緒に煮るよう指示されていることが多いと感じたんだ。自分は西洋料理に慣れているから、玉ねぎは油で炒め、肉も油で焼くほうが自然に思える。
肉を油で焼けばメイラード反応が起きて、豊かな風味が生まれる。単に煮るだけでは、肉が本来持っている風味を十分に引き出せず、少しもったいないように感じてしまうんだよ。
なぜこのような調理法が一般的になったのだろうか?
海外の反応
・海外の反応
親子丼は出汁で煮るからこそ、おいしくなる。
鶏肉はやわらかく、玉ねぎとだしが味に奥行きを出す。
仕上げに入る卵も素晴らしい。
これは焼き色やメイラード反応、油っぽさを求める料理じゃない。
・海外の反応(投稿主)
>>鶏肉はやわらかく、玉ねぎとだしが味に奥行きを出す。
やわらかさの話はなるほど!と思った。
油っぽくしない前提だという点も、言われてみれば確かにそうだ。ありがとう。
・海外の反応
フレンチオムレツをこんがり焼いてしまうとか、ブリスケットのバーントエンドを具に使うようなもの。
その料理に合う味や食感じゃないからだよ。
・海外の反応
主な理由は、調理器具や技法、好みの歴史的な違いだけど、今では醤油とだしが、メイラード反応が生むのと似た香味成分を多く担っている。
そもそもメイラード反応は、醤油や一部の味噌のような熟成調味料の色や風味を形作る要因の一つでもあるし、鰹節の風味成分の一部もそこから来ている。
・海外の反応(投稿主)
>>今では醤油とだしが、メイラード反応が生むのと似た香味成分を多く担っている。
醤油とメイラード反応の話、すごく興味深い。
とてもいい答えをありがとう 🙂
・海外の反応
料理ごとに、食材も技法も違う。
焼き鳥、焼肉、炉端、鉄板、揚げ物は質のいい素材向き。
煮込みは比較的安い肉向き。
新鮮なものは生で食べる。
それに、他の人も言っているけど、うま味を引き出す方法は本当にたくさんあるんだよ。
そもそも「うま味」という言葉自体、日本料理では昔から使われてきたものだね。
・海外の反応
昆布はMSGが最初に見つかった場所でもあるし、高い塩分のだしで煮ることで味が染み込むんだよ。
・海外の反応
日本はうま味をどう引き出すかという話で煮込むことを選んだ。
・海外の反応
日本料理の基本的な考え方は、メイラード反応による強い風味が、素材のシンプルで繊細な味を邪魔しないようにすること。
ある風味を抑えることで、別の風味を引き立てて楽しむ。
・海外の反応(投稿主)
>>ある風味を抑えることで、別の風味を引き立てて楽しむ。
一つの風味を抑えて、別の風味を味わうという説明にはかなり納得できた。
・海外の反応
料理自体を大きく一般化し過ぎなんじゃないかな?
西洋料理にも、カラメル化やメイラード反応を避けたい伝統料理は多いし、そういう傾向の料理文化も日本だけではないよ。
・海外の反応
例えば、鶏肉の一番好きな食べ方の一つは海南鶏飯かな。
基本は白く茹でた鶏で、鶏の味を邪魔するものがなく、うま味と香りのある素材がそれを引き立てる。
とはいえ、こんがり焼いたローストチキンも大好き。
・海外の反応
食の歴史や食文化の変化が大きく関わっている。
伝統的な日本料理は、カラメル化した風味を足すよりも、繊細な味のバランスを重視する「純度」の高い考え方を取ってきた。
煮る、炒める、蒸す、澄んだだしなど、なめらかでしっとりした食感が何世紀も主流だった。
ポルトガル、モンゴル、中国、アメリカなどが新しい食文化を日本に持ち込んできたけれど、長い歴史を持つ国では、誇りや懐かしさ、安心感から、古い伝統が今も強く残ってる。
・海外の反応(投稿主)
>>繊細な味のバランスを重視する「純度」の高い考え方を取ってきた。
なるほど。とても筋が通っている。
いつも味を最大化することばかり考えていて、繊細な味を忘れていたのかもしれない。
・海外の反応
最近の西洋料理のシェフは、焼き付けを過度に重視しがち。
フランスやイタリアにも、ポトフやボリート・ミストのように、何も焼かない料理はある。
焼き付け至上主義の人たちは、なぜそれらが長く愛されてきたのか理解できないことが多い。
単に風味の方向性が違うだけで、良し悪しの問題ではない。
・海外の反応(投稿主)
>>ポトフやボリート・ミストのように、何も焼かない料理はある。
とても面白い視点。
そんな料理があることも知らなかったし、確かにおいしそう。ありがとう。
・海外の反応
玉ねぎと卵は、肉の風味をまとわせるだけで十分。
油を足すと、やり過ぎになる。
・海外の反応
でも親子丼は家庭料理という印象。素朴で、家族向けで、忙しい母親の料理。
大雑把でも成立する、鍋一つの料理。
もちろん、緻密な日本料理もあるけど、すべてがそういうわけじゃないね。
・海外の反応
推測だけど、日本が歴史的に貧しかったことも一因だと思う。
煮る調理は燃料をあまり使わないし、強火で一気に焼く必要もない。
弱火で効率よく調理できる。
それが広く定着して、日本人の味覚として刷り込まれた。
例えば日本のカレーでは、インド的な文脈として玉ねぎをしっかり炒める一方で、最後に残り半分を加えて、形と食感を楽しませることもある。
・海外の反応
カラメル化やメイラードの風味が欲しい時もあれば、そうじゃない時もある。
西洋料理でも「玉ねぎを汗をかかせる」「透明になるまで加熱する」と書かれることが多い。
・海外の反応
肉を焼いて「味を足す」という考え方は、主にフランス料理由来。
多くの場合、必須ではない。
他の方法でも肉の風味は十分に引き出せる。
・海外の反応
部位によっては、焼くと汚れやアクが多く出る。
特に冷凍していた肉はそう。
そのアクが煮込みやスープに悪影響を与えることがある。
だから、先に下茹でしてアクを取り、その後で煮汁を加える方がいい場合もある。
・海外の反応
見落とされがちだけど重要な点。
焼き色やカラメル化は味だけでなく色や鍋底の焦げ(フォン)も生む。
濃いブラウンソースには向いているけど、澄んだ軽いだしには不向き。
・海外の反応
日本は繊細な味を追求してる印象が強い。
・海外の反応
あまり焼きすぎると素材そのものの味が消されてしまうし、日本料理の食材の味をそのまま味わうという考えから外れてしまうからでは?
